就活対策というと、お辞儀の角度や言葉遣い、逆質問の作り方など、面接のテクニックに意識が向きがちです。もちろんマナーも大切ですが、それだけで面接の評価が決まるわけではありません。
ほぼ日刊イトイ新聞には、糸井重里さんと人材紹介会社の代表・河野晴樹さんが「就職」について語った対談があります。
その対談で河野さんはこう言っています。
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新卒面接で本当に聞きたいのは、「これまで何を大切にしてきたか」というシンプルな問いだけで十分だ、と。お辞儀の角度で学生を落とすような会社があったら、むしろ入社先として考え直してもいい――とさえ言い切っています。
参考URL:面接試験の本当の対策 第2回 聞きたいのは「大切にしてきたこと」
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私、採用面接を担当、また社会で働く一社会人として、この考え方には共感する部分があります。
実際、時々自分はなにを大切にして働いているのだろうかと自身で考えることもあります。
自身と上司で大切にすることがずれていると感じるときは、よく考えます。
実際に面接マナーが身についていて、サークル活動やアルバイト、ゼミでの取り組みについてもよどみなく話せる学生は少なくありません。
ところが、「その経験の中で、あなたが大切にしてきたことは何ですか」と聞くと、途端に言葉が出てこなくなる人がいます。
「何をしてきたか」と「何を大切にしてきたか」は、似ているようで違います。
経験した事実は話せても、その中で何を選び、何にこだわり、なぜ行動したのかまでは、うまく言語化できていないことがあるのです。
たとえば、アルバイトで後輩の指導を頑張ったという経験があったとします。
その事実だけでは、責任感が強いのか、相手の成長を喜ぶタイプなのか、チーム全体の成果を重視するのかまでは分かりません。
「なぜ後輩の指導に力を入れたのか」「そのとき、何を意識していたのか」まで伝えることで、その人らしさが見えてきます。
経験の内容がどれほど立派でも、本人が何を考え、どのように行動したのかが伝わらなければ、面接官の印象には残りにくいものです。
他の学生との差別化を考えるなら、経験そのものだけでなく、その経験に表れている自分の価値観にも目を向けてみましょう。
「大切にしてきたこと」を言葉にする3つのコツ
① できごとではなく、「選んだ理由」を振り返る
まずは、「何をしたか」だけでなく、「なぜそれを選んだのか」「なぜ続けたのか」を振り返ってみてください。
たとえば、次のような質問です。
- なぜ、そのアルバイトを続けたのか?
- なぜ、面倒な仕事でも手を抜かずに取り組んだのか?
- なぜ、周囲が諦めた場面でも自分は続けようと思ったのか?
こうした問いを掘り下げると、自分が無意識に優先してきたことが見えてきます。
「人に迷惑をかけたくなかった」「最後まで責任を持ちたかった」「周囲と協力して成果を出したかった」など、行動の裏側にある考え方に注目することが大切です。
② 「大変だったのに続けたこと」に注目する
自分の価値観を振り返るときは、楽しかった経験だけでなく、大変だったのに投げ出さなかった経験にも目を向けてみましょう。
うまくいかないときに何を優先したのか、どんなことが譲れなかったのか。そこに、自分が大切にしている考え方が表れることがあります。
たとえば、部活動でレギュラーになれなかったとき、あなたはどうしましたか?
- 自分の課題を分析して、練習を続けた
- チームのために、別の役割で貢献しようとした
- 仲間と相談しながら、練習方法を改善した
同じ「部活動を頑張った」という経験でも、行動の理由や選択は人によって異なります。
大切なのは、苦労した経験を無理に美談にすることではありません。そのとき、自分が何を考え、何を優先して行動したのかを振り返ることです。
③ 一言で終わらせず、エピソードとセットで語る
「誠実さを大切にしています」「責任感があります」と伝えるだけでは、あなたらしさは十分に伝わりません。
大切なのは、その価値観が実際の行動にどう表れていたのかを説明することです。
たとえば、次のように整理できます。
- 大切にしてきたこと: 周囲との約束を守ること
- 具体的な経験: アルバイトで忙しい日でも、引き受けた仕事を最後までやり遂げた
- 行動の理由: 自分が引き受けた仕事を途中で投げ出すと、周囲に負担がかかると考えたから
このように、「大切にしてきたこと」と「それが表れた具体的な行動」をセットで伝えると、価値観に説得力が生まれます。
面接前には、自分の経験を一つ選び、次の3点を整理しておくとよいでしょう。
- そのとき、何が起きたのか
- 自分は何を考え、どう行動したのか
- なぜ、そのように行動したのか
この3点を言葉にできれば、自己PRやガクチカ、志望動機を伝える際にも、自分らしさを表現しやすくなります。
一人で難しければ、第三者と一緒に深掘りする
ここまで紹介した方法で振り返っても、自分の価値観をうまく言葉にできないことはあります。
自分にとって当たり前の行動ほど、なぜそうしたのかを意識していないことも多いからです。
そんなときは、家族や友人に自分の経験を話してみたり、第三者から質問してもらったりするのも一つの方法です。
自分では何気なく話したエピソードでも、「どうしてそこまで頑張れたの?」「そのとき、何を一番大切にしていたの?」と聞かれることで、新しい気づきが得られることがあります。
自分の価値観をうまく言葉にできないときは、第三者に質問してもらいながら整理する方法もあります。
キャリセン就活エージェントでは、面談や模擬面接を通じて、自分の経験や考え方を深掘りする機会を作れます。一人での自己分析に行き詰まったら、こうしたサービスを活用するのも一つの方法です。
面接テクニックの前に、自分の価値観を振り返ろう
お辞儀の角度や言葉遣いなど、面接のマナーを身につけることは大切です。しかし、マナーを整えるだけでは、あなた自身の考え方や人柄までは伝わりません。
これまでの経験を振り返り、「なぜそれを選んだのか」「何を大切にして行動したのか」を言葉にしてみてください。
自分が大切にしてきたことが分かれば、自己PRやガクチカにも一貫性が生まれ、面接で自分らしさを伝えやすくなります。
まずは一つの経験からで構いません。自分が大切にしてきたことを、具体的なエピソードと一緒に説明できるようにしてみましょう。
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参考URL:ほぼ日刊イトイ新聞 – 「ほぼ日」の就職論。
面接試験の本当の対策
第1回 働きかたが、変わりつつある?
第2回 聞きたいのは「大切にしてきたこと」
第3回 インディペンデントで、いられるか
第4回 仕事って、「価値をつけること」
第5回 一緒に、働きたいかどうか

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